教育実習の思い出
母校の高校に教育実習に行った。教職はなんとなく、自分のつく職業として考えてはいたものの、そんなに強く希望しているわけではなかった。
大学では、教育実習の時の何も教えてくれなかった。どういう授業をするべきなのかもいい加減にしか教わっていなかった。
しかし、担当の先生は、私の授業はとてもわかりやすいと褒めてくれた。実際、わかりやすい授業はできていたと思う。
そうして1週間が過ぎ、いよいよ研究授業となった。英語の先生全員に指導案を配布し、
よろしくご指導ください、と言ってまわった。
その時のことである。ある先生から、
このいい加減な指導案はなに?
と叱られてしまった。
あなた、それでも先生になるの?
厳しい叱責を受け、私は頭が真っ白になった。指導案なんていい加減でいいじゃん、
ちゃんと授業していれば。と思っていたから、頭から水をかけられたようだった。
こんないい加減な指導案書いてて、よく授業できるわね。
私は、何も言えず、ただ叱られていた。
結局、この時は、ただこっぴどく叱られただけで、指導案がどれだけ大切なのか、わからないままだった。
教師になってしばらくして、授業を変えようと思った時に、やっとこの時、叱られた意味がわかった。
指導案は、その授業の羅針盤であり、なくてはいけないものだとわかった。
今では、厳しい叱責を受けたことも、よい思い出である。その先生とは、授業方針が少し違うが、指導案が大切だということには変わりない。
感謝している。
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